居眠り運転、運転中の眠気の原因と改善について

交通事故を引き起こす原因の一つに居眠り運転があります。居眠り運転をしてしまうのは、睡眠時無呼吸症候群、重労働(睡眠不足)、薬の服用、不規則な生活習慣、運転する時間帯などが考えられます。ここでは、運転中の眠気について日常生活や仕事で不安・心配になっている方にどのように改善を行っていくべきか記載します。

考えられる疾患・原因について

睡眠時無呼吸症候群

居眠り運転、運転中の眠気の原因として睡眠の質から考えられるのが睡眠時無呼吸症候群です。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に無呼吸状態を繰り返す病気です。医学上は10秒以上の気流停止を無呼吸といい、一晩(7時間)の睡眠中に30回以上無呼吸が認められる場合、あるいは1時間に5回以上無呼吸がある場合に睡眠時無呼吸症候群としています。
睡眠中の出来事であるため自分で気がつくことは稀で、潜在患者数は300万人もいると推計されています。21世紀の国民病といわれることもあります。治療法が確立されているため、適切に検査・治療を行えば決して恐い病気ではありませんが、放っておくと高血圧や心臓循環障害、脳血管障害などにつながるリスクがあります。

当院でも居眠り運転、運転中の眠気で悩まされている患者様の相談をお受けした場合には、問診を行い、自宅でできる簡易検査を実施して、睡眠時無呼吸症候群の診断を実施しております。

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薬の服用

風邪や花粉症などの治療で服用する内服薬(抗ヒスタミン薬)のために運転中に眠気が襲ってくることがあります。このような薬を飲んだ後は、車の運転を控えるようにするしか対処方法はありません。
ただ、実際にはお仕事でどうしても運転が必要な方もいらっしゃると思います。
近年は眠気の少ない抗ヒスタミン薬も開発されていますので、医師とご相談ください
医師と相談して、治療のために薬を内服した場合の運転についてしっかりと指示に従ってください。

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重労働や不規則な生活習慣、運転する時間帯

お仕事の関係で、どうしても過労、多少の病気でも車を運転しなければならず、運転中に眠気が襲ってくることがあると思います。また、深夜に運転しなければならない時もあるかと思います。こういった場合では、居眠り運転のリスクなどを理解されていても、なかなか改善案を提示することが難しいです。ただ、急いでいる、休めないのは仕方ないですが、運転中に眠気を感じたら、交通事故のリスクを回避するために必ず仮眠を取るようにしてください。ご本人しか対処ができません。

【参考】
居眠り運転の交通事故では、安全運転義務違反と過労運転がありますが、その違反点数は、安全運転義務違反(2点)、過労運転(25点)となっており過労運転の方が重罪となります。

【対処方法】
・仮眠をとる
・車を停めて、体を動かす、ストレッチなどを行う
・顔を洗う
など、

原因が疾患にある場合

睡眠をしっかりと取るようにして運転をしているにも関わらず、運転中に眠気が襲ってくる場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性が考えられます。その際に実施するのが、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査です。まずは、睡眠時無呼吸症候群の検査を実施している医療機関を探します。事前にホームページなどで調べてから来院するようにしてください。
検査の結果、治療が必要になった場合は通院が必要になるため、できるだけ自宅や職場から近い医療機関を探す事をお勧めします。耳鼻咽喉科や内科で検査が受けられます。

検査概要

医療機関で問診を受け、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあった場合、睡眠中の状況を把握するために自宅での簡易検査を行います。手指にパルスオキシメトリーを装着して無呼吸による低酸素状態を診断する検査と、鼻に呼吸センサーを装着して気流やいびきを計測する検査があります。本体装置は手首式血圧計を少し大きくした程度の大きさで、就寝中はマジックテープで手首に巻いたりして保持します。

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【参考】
睡眠時無呼吸症候群の簡易検査だけでは判断できない患者様もいらっしゃいます。その場合には精密検査が必要となります。具体的には
簡易検査では結果をAHI(無呼吸低呼吸指数)で示します。これは睡眠1時間あたりの無呼吸と低呼吸の回数を合計した数値です。その結果次第で、脳波や睡眠の質(深さ)などを検査する必要がある際に行われるのが精密検査PSG(ポリソムノグラフィー)検査です。
この検査には1泊の入院が必要です。とはいえ、検査機器を取り付けて眠るだけで、痛みもなく寝ている間に終了します。仕事終わりに入院し、翌朝の出勤前に退院できるよう配慮している医療機関もたくさんあります。
PSG検査では脳波、眼球運動(眼電図)、オトガイ(下あご)の動き(筋電図)を基本に、呼吸、心電図、血液中の酸素飽和度、前頸骨筋電図、いびきの音、睡眠時の姿勢・動きなどを同時に記録することで、睡眠深度や睡眠の経過、睡眠時異常行動、睡眠中の呼吸や循環の生理現象を総合的に調べることができます。必要に応じ専門医療機関をご紹介致します

検査の結果について

睡眠時無呼吸症候群と診断された方は、治療が必要となります。

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また、軽度な睡眠時無呼吸症候群だと診断された方には、症状が悪化しないようにするためにも下記のような改善内容をご説明します。

【中・長期的な取り組み方】
・適正体重にするように日常生活を改善する
・口呼吸になっている場合は、原因疾患治療する(例:蓄膿症、アレルギー性鼻炎など)

【短期的な取り組み方】
・飲酒する回数・量を減らす
・寝ているときの姿勢改善する

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居眠り運転、運転中の眠気を改善するために

上記に記載したように、居眠り運転、運転中の眠気がある方は、まずは日常生活、運転する時の体調などについてできる範囲で改善してみてください。それでも症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査を実施することをお勧めします。普段から気になってはいるものの、検査を受けるのを先延ばしにされていらっしゃる方も多いと思いますが、大きな問題(交通事故など)を引き起こしてしまう前に原因を特定して改善するようにしましょう。

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